時空を超えて昔の大相撲を楽しみませんか!?~1970年11月場所

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こんにちは、アスナロです。
わたしは会社を定年退職した60代男性で、現在第二の人生を楽しんでいます。
わたしぐらいの年齢になると人生経験も少しは豊富になり、みなさまの参考になる情報を提供できるかもしれません。
つたない文章でまことに恐縮ですが、年甲斐もなくブログをやっています。

時空を超えて昔の大相撲を楽しみませんか!?~1970年11月場所

全国の大相撲ファンのみなさま、大変長らくお待たせいたしました。
このブログは、往年の大相撲ファンの方を対象に、時空を超えて昔の大相撲を楽しんでいただくことを目的に公開しています。

第1回の今回は、1970年11月場所を回想し、往年の大相撲ファンのみなさまと一緒に楽しみたいと思います。  
  
1970年(昭和45年)11月。
日本万国博覧会が終わり約2か月経ちました。
この年の3月、横綱に同時昇進した北の富士(今の相撲解説者)と玉の海は、横綱4場所目を迎えます。

先場所(1970年9月場所)の主な成績

  
・東横綱北の富士   11勝4敗
・西横綱玉の海    14勝1敗(優勝 (3))
・東横綱大鵬     12勝3敗
・東大関清国     9勝6敗
・西大関琴桜     8勝7敗
・西大関前乃山    全休(新大関)
・東関脇大麒麟    12勝3敗(技能賞(4)、場所後大関昇進)
・西関脇三重ノ海   6勝9敗
・東小結長谷川    5勝10敗
・西小結貴ノ花    9勝6敗(殊勲賞(初))
・東前頭2福の花   6勝9敗
・西前頭3高見山   6勝9敗
・東前頭4藤ノ川   9勝6敗
・西前頭6黒姫山   9勝6敗
・東前頭10陸奥嵐   10勝5敗
・東前頭11竜虎    13勝2敗(敢闘賞(4))
・西十両6輪島    13勝2敗(十両優勝(初))

  
  

今場所(1970年11月場所)の見どころ

  
先場所(9月場所)、横綱玉の海は14勝1敗で3回目の優勝を飾っており、初の連続優勝を狙っています。
迎える横綱大鵬は、先場所小結貴ノ花、玉の海、北の富士の両横綱に破れて12勝止まり、横綱北の富士は藤ノ川、福の花に金星を配給するなど11勝止まりだったので、玉の海からの賜杯奪還に燃えています。
横綱4場所目の玉の海、北の富士がともに安定しているうえ、大鵬も本年3月場所で31回目の優勝を飾るなど、まだまだ衰えは感じられません。おそらく優勝はこの3人のいずれかになると予想されます。
  
大関陣以下はどうでしょうか?
新大関大麒麟は先場所12勝3敗。2場所連続12勝と力をつけてきており、今場所も期待できます。先場所勝ち星が1桁だった清国、琴桜、新大関で全休の前乃山は奮起を期待したいところです。
また、新関脇貴ノ花は先場所新小結で9勝をあげており、今場所も活躍が期待できます。  
  
それでは早速前半戦(初日~中日)を見てまいりましょう。
  

前半戦(初日~8日目)の結果

  
・東横綱玉の海   8勝0敗
・西横綱大鵬    7勝1敗
・東横綱北の富士  7勝1敗
・東大関大麒麟   4勝4敗
・西大関清国    8勝0敗
・東大関琴桜    8勝0敗
・西大関前乃山   6勝2敗
・東関脇貴ノ花   3勝5敗
・西関脇藤ノ川   2勝6敗
・東小結竜虎    2勝6敗
・西小結黒姫山   1勝7敗
・西前頭1三重ノ海 3勝5敗
・西前頭2長谷川  4勝4敗
・西前頭4福の花  5勝3敗
・東前頭5高見山  5勝3敗
  
横綱は、大鵬が5日目デゴイチのニックネームがある黒姫山の『つきおとし』に屈し、また、北の富士が7日目殺し屋の異名を取りテレビの大相撲野球大会で5648の背番号をつけたことがある長谷川に『つりだし』で敗れ、ともに7勝1敗となりましたが、玉の海は安定した相撲で8戦全勝です。

3日目に北の富士vs貴ノ花戦がありました。
この一番、貴ノ花は驚異的な粘り腰で北の富士の攻めを何度もしのぎ、何と4分56秒の大熱戦となり、最後は北の富士が『うわてなげ』で貴ノ花を降しました。取組後、精魂つき果てた北の富士は息を切らせて天を仰ぎ、貴ノ花は土俵に片ひざをついたまましばらく動けませんでした。まさに昭和史に残る大相撲と言えます。

大関陣は、少し気の弱い新大関大麒麟が硬くなったのか本来の力を発揮できず、後の大関大受に『おしだし』、殺し屋の長谷川に『したてなげ』、土俵の魔術師で優勝決定戦出場経験もある藤ノ川に『つきおとし』、引退後テレビ番組料理天国でグルメの帝王となった竜虎に『うわてなげ』で敗れ、早くも4敗となりました。
他の大関陣は新大関誕生に発奮したのか全員調子が良く、清国、琴桜が8戦全勝、休場明けの前乃山も2敗で続いています。
  
では9日目~12日目までを見てみましょう。
  

12日目までの結果

  
・東横綱玉の海   12勝0敗
・西横綱大鵬    11勝1敗
・東横綱北の富士  10勝2敗
・東大関大麒麟   7勝5敗
・西大関清国    10勝2敗
・東大関琴桜    8勝4敗
・西大関前乃山   8勝4敗
・東関脇貴ノ花   5勝7敗
・西関脇藤ノ川   4勝8敗
・東小結竜虎    5勝7敗
・西小結黒姫山   5勝7敗
・西前頭1三重ノ海 4勝8敗
・西前頭2長谷川  6勝6敗
・西前頭4福の花  8勝4敗
・東前頭5高見山  6勝6敗
  
横綱は、北の富士が12日目大関清国に『よりきり』で敗れ2敗となりましたが、玉の海は依然全勝、大鵬も1敗で続いています。
10日目には玉の海vs清国の9戦全勝対決がありましたが、玉の海が『つりだし』で清国を降しています。清国は下位力士にはめっぽう強いのですが、上位陣との対戦が課題で終盤戦での奮起が必要です。
優勝争いは、横綱玉の海が12戦全勝、大鵬が11勝1敗、北の富士、大関清国が10勝2敗で追う展開です。
  
  

13日目

  
13日目、横綱玉の海は、北の富士との横綱対決です。
けんか四つの両者は、いつもどおり北の富士が差し勝ち左四つになりましたが、最後は玉の海が左からの『したてなげ』を決め、13戦全勝です。

一方、横綱大鵬は、大関清国を『うわてだしなげ』で破り依然1敗で追走しています。
それぞれ玉の海、大鵬に敗れた横綱北の富士、大関清国は、ともに3敗となり、優勝争いから脱落です。
これで優勝争いは、2場所連続4回目の優勝を狙う玉の海と、4場所ぶり32回目の優勝を目指す大鵬の二人に絞られました。
  
・東横綱玉の海   13勝0敗
・西横綱大鵬    12勝1敗 
・東横綱北の富士  10勝3敗
・東大関大麒麟   8勝5敗
・西大関清国    10勝3敗
・東大関琴桜    9勝4敗
・西大関前乃山   8勝5敗
・東関脇貴ノ花   5勝8敗
・西関脇藤ノ川   4勝9敗
・東小結竜虎    6勝7敗
・西小結黒姫山   5勝8敗
・西前頭1三重ノ海 4勝9敗
・西前頭2長谷川  7勝6敗
・西前頭4福の花  9勝4敗
・東前頭5高見山  6勝7敗
  
  

14日目

  
14日目、横綱玉の海は、琴桜を『つりだし』で破り14戦全勝、初の全勝優勝も見えてきました。
一方横綱大鵬は、北の富士を『よりきり』で降し13勝1敗。千秋楽の玉の海との横綱対決で逆転優勝を目指します。
  
・東横綱玉の海   14勝0敗
・西横綱大鵬    13勝1敗
・東横綱北の富士  10勝4敗
・東大関大麒麟   9勝5敗
・西大関清国    11勝3敗
・東大関琴桜    9勝5敗
・西大関前乃山   8勝6敗
・東関脇貴ノ花   6勝8敗
・西関脇藤ノ川   4勝10敗
・東小結竜虎    6勝8敗
・西小結黒姫山   6勝8敗
・西前頭1三重ノ海 4勝10敗
・西前頭2長谷川  7勝7敗
・西前頭4福の花  10勝4敗
・東前頭5高見山  7勝7敗

  

千秋楽

  
千秋楽、全勝の玉の海、1敗の大鵬の横綱対決は、先輩横綱大鵬が『よりきり』で玉の海を降し両者1敗で並び優勝決定戦となりました。初の全勝優勝を狙った玉の海でしたが、老練な大鵬の壁に全勝を阻止されたのでした。

・東横綱玉の海   14勝1敗
・西横綱大鵬    14勝1敗
・東横綱北の富士  11勝4敗
・東大関大麒麟   9勝6敗
・西大関清国    12勝3敗
・東大関琴桜    9勝6敗
・西大関前乃山   9勝6敗
・東関脇貴ノ花   7勝8敗
・西関脇藤ノ川   4勝11敗
・東小結竜虎    6勝9敗
・西小結黒姫山   6勝9敗
・西前頭1三重ノ海 5勝10敗
・西前頭2長谷川  8勝7敗
・西前頭4福の花  11勝4敗
・東前頭5高見山  8勝7敗
・東十両1輪島   9勝6敗
  
  

優勝決定戦

  
玉の海は、大関時代の1970年1月場所以来2回目の優勝決定戦出場です。前回は北の富士に『そとがけ』で破れています。
一方、大鵬は、1966年9月場所の横綱柏戸との対戦を制して以来5回目の優勝決定戦出場で、過去3勝1敗です。他の3回は、1961年9月場所の柏戸、前頭明武谷との巴戦で優勝、1962年3月場所の関脇佐田の山との決定では敗戦、1962年9月場所の大関佐田の山との対戦で優勝しています。
  
さあ結果はどうでしょうか?
  
・横綱玉の海  勝ち(よりきり)
・横綱大鵬   負け
  
優勝は横綱玉の海。成績は14勝1敗、先場所に続き4回目の優勝です。千秋楽に追いついた大鵬でしたが、連勝は難しく逆転優勝はかないませんでした。
  

  

優勝者の略歴(1970年11月時点)

  
東横綱玉の海。愛知県蒲郡市出身、片男波部屋。26歳。177㎝、135㎏。
得意技は、突っ張り、右四つ、寄り、つり、上手投げ。
1959年3月場所初土俵、1963年9月場所新十両、1964年3月場所新入幕。
1966年11月場所新大関。
1968年1月場所12勝、同3月場所12勝、同5月場所13勝で初優勝。場所後横綱審議委員会に諮問され、6人中2人が賛成するも、残り4人が反対ではないが今回は待つべきとの意見で否決される。
1969年9月場所13勝2敗で2度目の優勝。同11月場所は10勝に終わるものの、1970年1月場所13勝で優勝決定戦進出(優勝は北の富士)。場所後に北の富士と同時に横綱に推挙される。土俵入りは不知火型。
優勝4回、殊勲賞4回、敢闘賞2回。金星4個(栃ノ海2個、佐田の山2個)。
  
  

総評

  
横綱玉の海の安定感が光る場所でした。千秋楽、大鵬に破れ惜しくも全勝優勝は逃したものの、2場所連続優勝は立派です。
横綱大鵬は、全盛期の強さはなくなりましたが、依然安定感があり、5日目にデゴイチ黒姫山の『つきおとし』に不覚を取ったものの、その後は白星を重ね、千秋楽には玉の海の全勝優勝を阻止し決定戦までもつれ込みました。立派の一言です。
横綱北の富士は、先場所に続き11勝止まりでした。12日目清国に『よりきり』、13日目玉の海に『したてなげ』、14日目大鵬に『よりきり』で、3連敗したのが痛かったです。来場所の奮起を期待します。
大関陣では、清国が12勝3敗と新大関で優勝した1969年7月場所以来の12勝と健闘しました。
関脇貴ノ花は、北の富士戦の奮闘がありましたが、体力負けで敗れた相撲もあり、惜しくも7勝8敗で負け越しとなりました。
殊勲賞は北の富士を破った長谷川(2回目)、敢闘賞は後半頑張り11勝をあげた福の花、技能賞は該当なしでした。
なお、東十両筆頭の輪島は9勝6敗で、来場所の新入幕を確実にしています。
  
今回は、1970年11月場所を回想しました。いかがでしたか?
時空を超えて昔の大相撲を楽しまれましたか?次回もどうぞお楽しみに!
  
  
最後までお読みいただきありがとうございました。

あすなろぐ

こんにちは!
わたしは会社を定年退職した60代男性で、現在第二の人生を楽しんでいます。
現在マンション住まいで、ヨメ、ムスメ、ビーグル犬ランの4人で暮らしています。ほかに結婚で独立したムスコが2人います。
わたしぐらいの年齢になると人生経験も少しは豊富になり、みなさまの参考になる情報を提供できるかもしれません。『アラ還からの贈り物』、『マニアックな趣味』をテーマに記事を書いています。いっぱい写真を貼っているので、写真だけでもご覧くださいね。
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