こんにちは、アスナロです。
わたしは会社を定年退職した60代男性で、現在第二の人生を楽しんでいます。
わたしぐらいの年齢になると人生経験も少しは豊富になり、みなさまの参考になる情報を提供できるかもしれません。
つたない文章でまことに恐縮ですが、年甲斐もなくブログをやっています。
愛犬ラン
今回は、アスナロ家の愛犬『ラン』について、2019年5月に執筆したものをお届けしますね。
ビーグル犬、アスナロ家に来る
2007年1月、高1の次男が生後1か月のビーグル犬を友人からもらってきました。
ヨメは昔から犬がきらいで、飼うなんてありえないと思っていたみたいですが、次男が自分で世話をするということだったので、やむなく了解したのでした。
ビーグル犬は全体的に黒っぽくとても小さかった。大きくなるにつれ頭が白っぽくなっていきますが、子供の頃は頭も黒っぽかった。
初めて部屋に入ると、クンクンしながらかわいい仕草で動き回ります。動くおもちゃみたいです。
名前は次男が考えた『ラン』に決まります。
どこで飼うかヨメと相談した結果、小さいうちは家の中でも仕方がないけれど、大きくなったら外で飼おうということになったので、早速犬小屋を買いに行き玄関横に設置しました。
気候が暖かくなり、少し大きくなってからは、昼間みんな出かけている時は、ランを犬小屋前につないでいました。
ランは夏の暑い時には犬小屋の下の土を掘り、冷たいところに腹ばいになって自分で避暑をします。誰からも教わっていないのに賢いものだなあと思ったものです。
最初は嫌がっていたヨメもだんだん懐いてくるとかわいくなってきて、常に屋内で飼うことになりました。だから結局犬小屋はほとんど使っておらず、たまに野良猫が犬小屋を拝借するのを防ぐため、入口にコンクリートブロックを置くようにしました。
ランができる芸は少ないです。
『お手』→これはできます。
『おすわり』→なんとかできます。
『伏せ』→これもできます。
『待て』→これもOKです。
これぐらいかなあ~?。あ、そうそう…
朝、アスナロが自室から出てくると、ドアの前でしっぽを振って待っていることがよくあります。たぶん、「おはよう!」と言いに来てくれているのです。でも、ランが自分からアスナロのところに来るのはその一瞬だけで、それ以外はほとんどヨメのそばにべったり引っ付いて暮らしています。
ランの散歩コース
ランは現在(2019年5月)12歳で、あまり長距離は歩けなくなりましたが、若い時は散歩が好きでアスナロたちをどんどん引っ張っていったものです。
アスナロが好きな散歩コースは、家の横の長い坂道を降りて行き、小川の前の細い道を右折します。右に竹藪があり、左は川です。そして橋を渡り右折します。そのまま進んでいき、田んぼ道を反時計回りに周り込むように進みます。左側はちびっこ広場です。角の家で右に大きく曲がり、村の中の狭い道路を行くのです…
こんなふうに書いていますが、実際にはランがまっすぐ歩くことはなく、左に行ったり右に行ったり、電信柱のにおいを嗅いだり、落ちているごみを食べようとしたり、とても時間がかかる散歩となります。
そのまま村の道をまっすぐ行くと、小学校への通学路に出るので、そこを右折し家の方へ向かいます。急な坂を登って行き、登り切るとお地蔵さまがいるので、そこを左折し野原の中に入って行きます。野原の突き当りで道へ降りると、そこは有名メーカーの住宅地です。その住宅地の端っこに小さな公園があります。この公園で首紐を外してランをよく遊ばせたものです。
公園で紐を外すと、若いランは喜んで飛び跳ねて走り回ります。あっちへ行ったりこっちへ来たり…
腕白坊主全開で暴れ回ります。
それでもランはアスナロから大きく離れることはなく、アスナロが別の方へ歩いて行くと、左へ行ったり右へ行ったりしながらも、アスナロの行く方についてきます。
いつもこの公園で放し飼いにして遊んでいましたが、ある時いたずら坊主の本性が出たのか、ランはアスナロを残し公園の外に出て行ってしまったことがあります。アスナロが焦って追いかけると、ランはさらに遠くへ行き、そこで止まってこちらを見ています。
「ラン!こっちへおいで!」
呼んでみても戻って来ません。アスナロが近づこうとすると、ランは行ってしまいます。アスナロが止まるとランも止まります。
『これは、達磨さんが転んだゲームか?』
しょうがないので、アスナロは後ろ向きになりランから離れるふりをします。するとランは不安になるのか少し戻って来ます。アスナロが止まるとランも止まります。アスナロが近づこうとすると、ランはまた離れます…
こんなことを繰り返しながらランとの距離を縮めていき、〇〇台から有名メーカーの住宅地に入った辺りでやっとランを捕まえることができたのでした。
体弱いねん
このように元気印のランですが、4歳くらいの時、首のところがヘルニアになって入院し手術を受けたことがあります。
ビーグルは元々猟犬なので強いイメージがありますが、うちのランは『体弱いねん』でした。
ヘルニアは何とか治ったものの、無理をさせられない犬だと分かります。
雨の日でも用を足すために散歩に行くことが必要で、ある日大雨の中散歩に出かけようとすると、ガレージの出口のところで止まり、
「この大雨の中、本当に散歩に行くのですか?(汗)」
という目でアスナロを見上げるのです。
「そのとおり!雨でも行くぞ!」
アスナロは半分鬼の顔になり、ランを引っ張って行きます。
ブルブルブル…
何度も雨水を払いながら、ランは散歩を続けるのでした。
冬、アスナロ家では炬燵を出します。
炬燵をつけると、ランは喜んで炬燵に潜り込みます。なぜか必ずアスナロが座っているところから炬燵に入ります。アスナロのところが入場門なのでしょうか?そして炬燵の中でスヤスヤ、時々いびきをかきながら気持ちよく眠るのです。
「ランは猫か?」
「犬は『雪やこんこ』で庭を駈け回るはずだが?」
「炬燵で丸くなるのは猫だよ」
と思うのですが、うちのランは、冬は必ず炬燵で丸くなるのでした。
ランの指定席
昼間ランが起きている時、ヨメが台所で家事をすると、ランは必ずヨメの足元に座って、じーっとヨメのほうを見ています。
「ママが切っている野菜のかけらが落ちてこないかなあ~」
「パンが食べたいなあ~」
ランは何でも欲しがりますが、特にパンを見たりにおいがしたりすると目の色が変わります。何度も何度も足踏みをしてパンを欲しがるのです。
ランはドッグフードしか食べたらだめなので、パンをあげることはできません。でもヨメは内緒でほんの少しパンのかけらをやることがあります。ランは目を輝かせてパンをパクっと食べ、鼻をペロッとなめます。
「ママ~。もっとちょうだい~」
「おしまい!」とヨメ。
「ママ~、ママ~。クゥ~ン!クゥ~ン!」
何度も何度も足踏みをします。
「ダ~メ!」
もらえないとわかると、『フン!』と鼻を鳴らします。それでもヨメが台所にいる間、ランはずーっとヨメの足元にいるのでした。
家族の癒し、愛犬ラン!
このように芸もあまりなく、食欲と睡眠欲だけものすごいランですが、一つだけ取り柄があります。
それは、家族みんなに癒しの時間を与えることです。
ランの顔を見ているだけでみんなほっとするのです。
ランは寂しがり屋なので、寝る時は必ず誰かに引っ付いて眠ります。
アスナロたちもランが好きだから、なるべく引っ付いて癒されたい。
だからランと昼寝する時は、お互い抱き合って眠ることになります。昼寝ではないですが、疲れた時など、よくムスメがこれをしています。
別居している次男も、たまに帰って来るとランとのハグタイムを楽しんでいます。子供たちと引っ付いて眠るランが羨ましいです。
子供だったランも青年になり、今では立派な老犬です。
毛の色もさらに白くなってきています。眠る時間もとても多くなってきました。
あと何年生きるかわかりませんが、ランも家族の一員で、いなくては困る存在です。永遠の命はないけれど、生きている間は元気でかわいい、いつものランでいてくださいね。
『初帰省 駈け寄る犬と ハグし合い』 by アスナロ(某句会入選作品)
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント