こんにちは、アスナロです。
わたしは会社を定年退職した60代男性で、現在第二の人生を楽しんでいます。
わたしぐらいの年齢になると人生経験も少しは豊富になり、みなさまの参考になる情報を提供できるかもしれません。
つたない文章でまことに恐縮ですが、年甲斐もなくブログをやっています。
国鉄阪和線④~昭和42年国鉄阪和線浅香駅を通過する70系直行電車東和歌山行
みなさまは、JR阪和線浅香駅の下り(和歌山方面)ホームで列車をご覧になったことはあるでしょうか?
ずいぶんピンポイントな場所で恐縮ですが、阪和線の中ではとっておきの場所なのです。
今回は、昭和42年(1967年)にタイムスリップして、国鉄阪和線浅香駅の下りホームで列車を見てみましょう!
国鉄阪和線浅香駅
昭和42年(1967年)の国鉄阪和線浅香駅にようこそ!
浅香駅は大阪府堺市の北端にあり、ホーム北側(天王寺側)先端は、大阪市との間を流れる大和川橋梁に突き出ています。
また、ホーム南側(和歌山側)にも小さな川が流れています。
つまり、浅香駅は川と川に挟まれた低い土地にある駅なのです。ですから、過去何度か洪水に見舞われ、改札口が水没したこともあります。
一つ和歌山寄りの堺市駅には優等列車の直行が停車しますが、浅香駅に停まるのは普通電車のみです。
堺市駅を発車した直行電車は、ぐんぐんスピードを上げ、左に大きくカーブして短い鉄橋を渡ると浅香駅のホームに差し掛かります。
浅香駅を95km/hのスピードで通過した直行電車は、大和川橋梁を大きな音で走り抜け、次の駅杉本町に向かいます。
このように、浅香駅を通過する列車は、ホームの両サイドにある鉄橋を渡るとき大きな音を出し、迫力満点で走って行くのです。
電車が行ってしまうと、しばしの静寂が訪れます。
アスナロは、浅香駅のホーム北側(天王寺側)先端まで行ってみます。ホームの下は大和川です。
大和川の対岸のさらに先の方を見ると、錆びたような朱色の電車が隣の杉本町駅に停車しているのが見えます。浅香駅と杉本町駅の距離は近く、杉本町駅に停まっている電車がよく見えるのです。普通電車が待避線で優等列車の通過待ちをしているようです。
70系直行電車東和歌山行
しばらくすると、その朱色の普通電車のすぐ左に、70系のかっこいい電車の顔が見えてきました。
70系電車は、徐々に大きくなり、大和川橋梁を大きな音を出して走ってきます。電車の顔の真ん中、人間の顔で言えば鼻の位置に掲げている行先表示板が見えます。
『直行東和歌山行』です。
天王寺発直行電車東和歌山行は、ここ浅香駅を通過したあと、堺市、鳳、和泉府中の各駅に停車します。そして、和泉府中から終点東和歌山駅(現和歌山駅)までは各駅に停車するのです。
快速電車(途中、鳳、和泉府中、熊取、和泉砂川に停車)が1時間に1本しか走っていなかった昭和42年(1967年)当時、この直行電車は、アスナロたち阪和沿線の住民がいつも利用する優等列車でした。
当時アスナロは和泉府中駅より南(和歌山寄り)に住んでいたので、家の近くで見る直行電車は実質普通電車と同じでした。直行電車には優等列車の面影はまったくなく、コツコツ各駅に停車する不器用な電車のイメージしかなかったのです。
しかし、浅香駅のような快速運転区間ではそうではありません。
浅香駅に差し掛かった直行電車東和歌山行(4両編成)は、ホームを滑るように通過すると、右に大きくカーブしすぐに見えなくなります。
ファァァーーーーーーーーーーン!
ガタッガタンーー、ガタッガタンーー、ガタッガタンーー、ガタン~
テレビ漫画のエイトマンが大和川橋梁の向こうから走ってきて、あっと言う間に去って行くような感じです。
アスナロ「超かっこいい!何も言えねえ~!」
ヨメ「いつもの直行電車じゃな~い!」
いつもは昼行燈みたいにパッとしない大石内蔵助が、討ち入り前にはキリッとして大活躍したみたいに、いつものコツコツ型の不器用な直行電車は、浅香駅では見違えるほどかっこいいのです。
小学生のアスナロにとっては、浅香駅を猛スピードで通過する直行電車は、新幹線ひかり号と同じくらい輝いて見えるのでした。
(おまけ)錆びた朱色の普通電車東岸和田行
直行電車が浅香駅を通過すると、杉本町駅で直行電車の通過待ちをしていた普通電車東岸和田行がゆっくり動き出します。そして、大和川橋梁を大きな音を出しながらゆっくり渡り、浅香駅に到着します。
この電車は、錆びた朱色の4両編成で、先頭車両の屋根にはパンタグラフがついています。セミクロスシートの70系と違い、この電車の座席はロングシートです。
ホームの前寄り(和歌山側)は右カーブになっているので、電車は幾分右に傾いて停まっています。
乗降客は、大きく開いたホームと電車の隙間に落ちないように気を付けながら乗り降りしなければなりません。
そしてドアが閉まり、普通電車東岸和田行はゆっくり浅香駅を発車します。
発車後すぐに短い鉄橋を渡った普通電車は、右に大きくカーブして、苦しそうなうなり声を上げながら走って行くのでした。
最後に
21世紀の今、70系も旧型電車も阪和線から永遠に姿を消しています。
どちらも、今の新型車両とは比べ物にならないくらい古く、性能の良くない車両でした。
でも、アスナロにとっての70系と旧型電車は、色、形、音、におい、乗り心地のどれをとっても、非常に味のある素晴らしい電車でした。
できれば70系だけでも保存していてくれたら良かったのになあと、つくづく思います。
中でも床が木製で、窓のブラインドも木製の旧型70系が今でも保存されていたら、涙がちょちょぎれるほど嬉しかったでしょうね!
ヨメ「夢の中でもいいから、もう一度70系に会えたらいいね!」
アスナロ「あの色、あの形、あの音、あのにおい、あの乗り心地。70系にもう一度乗ってみたいです!」
今回は、昭和42年(1967年)国鉄阪和線浅香駅を通過する70系直行電車東和歌山行をお話しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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