昭和の時刻表で妄想旅行をしてみませんか?~昭和50年7月紀勢本線の巻

マニアックな趣味

こんにちは、アスナロです。
わたしは会社を定年退職した60代男性で、現在第二の人生を楽しんでいます。
わたしぐらいの年齢になると人生経験も少しは豊富になり、みなさまの参考になる情報を提供できるかもしれません。
つたない文章でまことに恐縮ですが、年甲斐もなくブログをやっています。

昭和の時刻表で妄想旅行をしてみませんか?~昭和50年7月紀勢本線の巻

今回は、時刻表大好き人間のアスナロが、昭和50年7月の時刻表で紀勢本線を旅しようと思います。
  
妄想旅行に出かける前に、当時の紀勢本線について簡単にお話しますね。
昭和50年7月の紀勢本線には、次のような列車が走っていました。
  

特急

  
天王寺発上りの定期列車は5本あり、すべてディーゼル特急です。

くろしお1号(22D)は、天王寺8:40発の白浜行。
途中停車駅は次のとおり。
和歌山(9:32着、9:34発)
紀伊田辺(11:02着、11:03発)
白浜(11:14着)
所要時間は2時間34分。
  
くろしお2号(2D)は、天王寺9:10発の名古屋行。
なんと紀伊半島を一周し、名古屋まで行く特急列車が走っていました!
途中停車駅は次のとおり。
和歌山(9:59着、10:01発)
紀伊田辺(11:27着、11:29発)
白浜(11:40着、11:41発)
串本(12:46着、12:51発)
紀伊勝浦(13:24着、13:25発)
新宮(13:42着、13:47発)
熊野市(14:08着、14:10発)
尾鷲(14:44着、14:48発)
多気(16:12着、16:13発)
松阪(16:22発)
津(16:38着、16:41発)
四日市(17:06着、17:07発)
名古屋(17:42着)
所要時間8時間32分のロングラン列車です。

  
残りのくろしお3号(12D)、くろしお5号(16D)、くろしお6号(18D)はすべて天王寺発新宮行で、それぞれ天王寺発10:00、13:00、16:00、新宮着14:28、17:33、20:23です。

特急くろしお号は全席指定で、現在のように多くの駅には停車しません。
文字どおり、特別な急行列車でした。
  
  

急行

令和のいま、急行の定期列車は全滅していますが、この時代は急行が主役でした。
天王寺発の上りの定期急行列車は10本あり、すべてディーゼルカーです。
  
きのくに2号(304D)は、天王寺8:00発の新宮行。
途中停車駅は次のとおり。
和歌山(8:56着、9:03発)
海南(9:13発)
箕島(9:28発)
湯浅(9:39発)
御坊(9:56発)
切目(10:20発)
南部(10:30発)
紀伊田辺(10:41着、10:46発)
白浜(10:57着、11:02発)
椿(11:11発)
周参見(11:27発)
串本(12:12着、12:13発)
古座(12:21発)
紀伊田原(12:35発)
湯川(12:50発)
紀伊勝浦(12:54着、12:55発)
那智(12:58発)
新宮(13:13着)
所要時間は5時間13分。

きのくに3号(102D)は、天王寺9:30発の白浜行。白浜には12:16着です。
白浜が新婚旅行の聖地だった頃、新婚さんはおそらくこの列車に乗って行ったのでしょうね。


  
紀州5号(902D)は、天王寺10:30発の名古屋行。
紀伊半島を一周し、名古屋まで行く急行列車もあったのですね。
根性です!
ちなみに急行紀州号はすべて名古屋発着で、天王寺まで来るのは5号のみです。
途中停車駅はつぎのとおり。
和歌山(11:19着、11:21発)
御坊(12:09発)
紀伊田辺(12:55着、12:57発)
白浜(13:08着、13:10発)
椿(13:19発)
周参見(13:37発)
串本(14:18着、14:18発)
古座(14:31発)
紀伊勝浦(14:55着、14:56発)
那智(14:59発)
新宮(15:14着、15:19発)
熊野市(15:42着、15:45発)
尾鷲(16:16着、16:18発)
紀伊長島(16:48発)
三瀬谷(17:25発)
多気(17:50着、17:54発)
松阪(18:02発)
津(18:18着、18:20発)
四日市(18:45着、18:47発)
桑名(19:02発)
名古屋(19:25着)
所要時間8時間55分のロングラン列車です。
ふ~、お疲れ様です。
  
夜行の急行もありました。
きのくに15号(312D)は、天王寺23:30発の新宮行。
一部指定、グリーン車連結ですが、寝台車はありません。
天王寺駅1番線から発車し、終着駅新宮には翌朝5:19に着きます。
  
  

普通

  
夜行といえば、普通列車の夜行も走っていました。

南紀号(924列車)は、天王寺22:40発の名古屋行。
この鈍行は客車列車で、和歌山までは電気機関車、その先はディーゼル機関車が牽引します。
普通列車にも、紀伊半島一周名古屋行きがあったのですね!
もはや修行の世界です!

この列車には指定席、グリーン車はありませんが、途中の新宮まで寝台車が連結されていました。
普通列車の寝台車ですよ。びっくりですね!

アスナロがまだ若い頃、天王寺駅の2番線で発車を待つ南紀号を何度か見たことがあります。
寝台車も連結されている昔ながらの客車列車で、一度乗りたいなあと思って、隣の快速・区間快速が出る4番線ホームからよく見ていたものです。

この列車は魚釣り列車としても有名で、釣り人の格好をした人がたくさん乗っていたのを覚えています。
途中の新宮には翌朝5:10、終着駅名古屋には13:08に着きます。
所要時間14時間28分の超ロングラン列車です。
う~腰が痛い!
体調が戻るまで時間がかかりそうです!
  
  

妄想旅行出発進行!

  
さあいよいよ今回のメインイベント、妄想旅行の始まりです。
今回は、天王寺13:30発のきのくに8号(306D)で南部(みなべ)駅を目指します。

ヨメ「私も連れて行って~。」
アスナロ「ええよ~。」

定刻、天王寺駅2番のりばからエンジンを吹かせて気動車急行列車が発車しました。
天王寺から一つ目の阪和線美章園駅を過ぎると高架線が終わり、きのくに8号は大阪平野を南に向け走ります。

大阪市と堺市の間を流れる大和川を渡ると右へ大きくカーブし、堺市駅、鳳駅を通過します。
急行はやはり早いです!
  
30分ほど走り水間線(貝塚⇔水間)を高架で越えたあたりから大阪平野もはずれ近くとなり、急行きのくに8号はエンジン全開で泉南丘陵をゆっくりと登って行きます。
ちなみに水間線は本数が少なく、阪和線の高架から水間線の電車が見えることはまれで、アスナロもたまにしか見たことはありません。

熊取を過ぎ、日根野駅を通過。

ヨメ「田舎くさい駅ね~。」
アスナロ「絶対住みたくない駅だな~。」
 
和泉鳥取駅を通過し短いトンネルを抜けると山中渓駅通過です。
ここからは名前どおり山の中で、長短合わせて5つのトンネルを通ります。そのうち2つ目のトンネルが一番長く、ここが大阪府と和歌山県の県境となります。
最後のトンネルを抜けると長い下り坂があり、そこをエンジンオフのきのくに8号は左手に和歌山市内を見ながら降りて行きます。

和歌山に14:18着。
ここで南海難波(13:00発)からのディーゼル列車(2両編成)と連結します。
南海難波発のディーゼル列車は1日4本あって、南海線内では特急として運行されており、途中新今宮、堺、岸和田に停車します。

アスナロ「国鉄と南海が合体!」
ヨメ「連結でしょ!(怒)」

和歌山14:23発。
和歌山を出発した急行きのくに8号は、途中海南、箕島、湯浅、御坊に停車した後、南部に15:48に着きます。
  

南部(みなべ)

南部駅で下車したアスナロは、駅を出て海に向かって歩きます。
5分ほど歩き国道42号線の信号を渡ると堤防があります。
堤防の向こうには広くて長い砂浜が広がっています。
視界が開け、天体観測するには持ってこいの場所です。
そうなんです。今日は天体観測が目的で南部までやってきたのです。

徐々に夕闇が濃くなってきました。
一番星の金星もすでに出ています。
遠くの波打ち際に犬を連れて歩く人がいます。
のどかです。
季節は5月。
いい気候ですが、夜になると若干冷えてきました。

トランジスタラジオからはラジオ関西の巨人戦が聞こえてきます。
接戦で出てきたのは、先発でも活躍している投手です。すごい歓声です。

ヨメ「阪神がんばれ~!」
アスナロ「巨…(汗)」
ヨメ「えっ!何?」
アスナロ「オール阪神巨人がんばれ~!(汗)」

アスナロとヨメは、ラジオを聞きながら、双眼鏡で星空を観望します。
双眼鏡の視界の中は、星が宝石のように散らばっています。
夏の大三角、スバル(プレアデス星団)、天の川も肉眼でくっきり見えます。
流れ星もいくつか見ました。
視界の半分は海なので、空は暗く星々がいつもの3倍くらいは見えています。


  
天体観測を堪能したアスナロとヨメは、日付が変わった午前1時に海岸を後にし、南部駅へ向かいます。
南部1:50発の天王寺行きの夜行普通列車「南紀号」に乗るためです。
  
  

南紀号

  
時刻どおり列車がホームに入って来ます。
深夜のため、ホームにいるのは駅員のほかにはアスナロとヨメの2人だけ。
ドアが開いたままの旧型客車に乗り込みます。
4人掛けのボックスシートはほとんど空いていて、アスナロたちは中ほどの進行方向左側のボックスシートに腰を下ろしました。

列車はまもなく発車。
先頭のディーゼル機関車から順に力が客車に伝わってきて、アスナロたちの乗った客車もゆっくり動き出します。
外は真っ暗、何も見えません。
  
ヨメ「銀河鉄道999みたいね~。」
アスナロ「アンドロメダへ向かってレッツらゴー!」

南紀号は、普通列車だけれど深夜のため停車駅が少なく、和歌山までは、印南、御坊、湯浅、箕島、海南の5駅しか止まりません。
そして、和歌山(3:50着、3:58発)から終点天王寺までノンストップ運転です。
夜汽車の揺れは心地よく、アスナロたちも知らぬ間に眠りに落ちていました。
  
ふと気がつくと、徐々に空が白み始めています。
初夏の夜明けは早いです。
南紀号は和泉山脈を越え泉南丘陵を走っているようです。
またうとうとしてきました。
「まもなく終点天王寺」の放送があり、定刻5:00に天王寺2番線に到着したのでした。
0泊2日1夜行の旅、大変お疲れさまでした。
  
今回は、昭和の時刻表で妄想旅行『昭和50年7月紀勢本線の巻』をお話しました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

あすなろぐ

こんにちは!
わたしは会社を定年退職した60代男性で、現在第二の人生を楽しんでいます。
現在マンション住まいで、ヨメ、ムスメ、ビーグル犬ランの4人で暮らしています。ほかに結婚で独立したムスコが2人います。
わたしぐらいの年齢になると人生経験も少しは豊富になり、みなさまの参考になる情報を提供できるかもしれません。『アラ還からの贈り物』、『マニアックな趣味』をテーマに記事を書いています。いっぱい写真を貼っているので、写真だけでもご覧くださいね。
どうぞよろしくお願いしまーす!

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