小説あすなろ銀行~第2話

アラ還からの贈り物

こんにちは、アスナロです。
わたしは会社を定年退職した60代男性で、現在第二の人生を楽しんでいます。
わたしぐらいの年齢になると人生経験も少しは豊富になり、みなさまの参考になる情報を提供できるかもしれません。
つたない文章でまことに恐縮ですが、年甲斐もなくブログをやっています。

小説あすなろ銀行~第2話

今回は、自伝的小説『小説あすなろ銀行』をアップします。今回は第2話です。

ある日曜日の大冒険

昭和5x年(198x年)当時、会社は週休1日制でした。
若かったとはいえ、新入社員のアスナロは慣れない仕事で疲れていることが多く、日曜日はほとんど家でゆっくりしていました。

そうした中、ある日曜日の昼前、同期入社のX君、Y君とアスナロの3人が集まり、気分転換のためドライブに行くことにしました。
目的地は特に決めておらず、とりあえず堺から阪神高速に乗り、中国池田ICより中国縦貫道に入ります。

怖い系の顔をした車

X君のマツダカペラは快調に高速を飛ばします。

年代物になりつつあったカペラのフロントガラス右上隅には、石でも当たったのか3cmぐらいのひび割れがあります。ちょうど怖い系の人のおでこに傷があるように。

それに時速90kmぐらいになると、ハンドルが小刻みにガタガタ震え出します。ちょうど怖い系の人が貧乏揺すりをするみたいに。

どこまで行くのか、目的地はどこなのか、誰にも案はなく、怖い系の顔をした車は、貧乏揺すりをしながら西に向かって走り続けます。

カペラ「オラオラオラ~!カペラ様のお通りだい!」
周囲の車「ハハーッ!」

やがて、兵庫県が過ぎ岡山県に入った時、誰が言ったのか忘れたけれど、
「ここまで来たら倉敷まで行ってみよう!」
ということになりました。

『Yる』

津山ICで中国縦貫道を降り、国道で岡山市方面を目指します。
助手席のY君が道路地図帳を広げナビゲーターを勤めます。

Y君「次の信号はたぶん右ですー。」
X君「了解!」

ということで、X君はY君の指示通りにしばらく走りますが、やがて様子がおかしいのに気づきます。

X君「道間違ってない?方向が逆では?」
Y君「えっ、う~ん。あっ、逆みたいですー。(汗)」

こんなふうに、Y君の言う方向が何回か間違っていて途中で引き返したりしました。
このことがあって以来、アスナロとX君は、道案内で間違うことを、
『Yる』
と表現することにしました。

何回か『Yった』こともあり、倉敷に着いたのは辺りが薄暗くなり始めていた午後6時半頃でした。

倉敷

新入社員の3人は倉敷アイビースクエアに行ってみました。しかし主な施設はすでに閉館しています。
行くところがなくお腹も空いてきました。3人は倉敷国際ホテルに入り、レストランで夕食をとることにします。

新入社員で小遣いも少ないので、一番安いカレーライスを注文し3人で食べます。
空腹だったせいもあると思うけれど、倉敷国際ホテルのカレーはとても美味しく、40年ほど経った今でもはっきり覚えているほどです。

アスナロ「あのカレーは美味しかったなあ~(よだれ)」
ヨメ「私も食べに連れてって~。」

満腹の3人は倉敷国際ホテルを出て、倉敷の街をブラブラしていると時計は午後9時になっていました。
今日は日曜日、そして明日は仕事です。しかもここは岡山県倉敷です。

『いくらなんでもぼちぼち帰らないとやばい!』
ということで新入社員3人の冒険もこれぐらいにして、X君は来る時通ってきた道を大阪に向かってひたすら運転します。

大阪に着いたのは、日付が替わってかなり経ってからでした。
若い時はたまにこんな無茶もしましたが、翌日は遅刻もせず出社して普通に仕事をこなしました。今のアラ還の体力では考えられないことですね。

今回は、自伝的小説『小説あすなろ銀行(第2話)』をアップしました。
第3話以降も楽しみにしていてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

あすなろぐ

こんにちは!
わたしは会社を定年退職した60代男性で、現在第二の人生を楽しんでいます。
現在マンション住まいで、ヨメ、ムスメ、ビーグル犬ランの4人で暮らしています。ほかに結婚で独立したムスコが2人います。
わたしぐらいの年齢になると人生経験も少しは豊富になり、みなさまの参考になる情報を提供できるかもしれません。『アラ還からの贈り物』、『マニアックな趣味』をテーマに記事を書いています。いっぱい写真を貼っているので、写真だけでもご覧くださいね。
どうぞよろしくお願いしまーす!

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